はじめに
みなさん、パソコンの中身は見たことがありますか?
毎日当たり前のように使っているパソコン、令和に生きる私たちはもはやこの電子機器なしでは生きていけない人種です。
しかし、パソコンのハードの部分について詳しく知っているよという方はごく少数なのではないでしょうか?
今回は全社会人、特にエンジニアの方やエンジニアを目指す方はぜひ知っておきたい、パソコンのハードウェアの部分について触れていきます。
パソコンってそもそも何でできているの?中で何が起こっているの?という疑問について、イメージしやすいように解説していきます!
ハードウェアとは?
ハードウェアとは「機械端末」のことで、デスクトップPCやノートPCだけでなく、スマートフォンやタブレットのことも指します。
広義では、システムを動作させるための物理的な基盤といえます。
ハードウェアのスペックを適切なものに設定することで、システムの安定的な動作に繋がります。
例えば、CPUのクロック周波数やコア数、メモリ容量、ストレージの容量や種類(HDD/SSD)などを、用途に合わせて選択することが重要です。
(よくパソコン買う時にスペック〜と書かれているような項目です。)
高スペックなハードウェアは当然値段が高いです。
せっかく高スペックなパソコンを用意しても、ソフトウェア側で十分に活用できなければ無駄になってしまいますよね。
一方で、ハードウェア側の制限によりソフトウェアのパフォーマンスが制限されてしまうこともあります。
特にエンジニアは開発するシステムによってはスペックの高いハードウェアを使用した方が効率が良いです。
例えば書いたコードを実際に自分のPC上で動作させて確認するときに、動作が重いとデバッグしにくくて開発が進まないですよね。
自分の作業に必要なハードウェアやハードウェアのスペックを事前に確認しておくことが重要です。
ハードウェアの知識があると得られるメリット3つ
1. パソコンのパフォーマンスを最適化できる
ハードウェアの特性を理解することで、パソコンのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。
例えば、CPUのクロック周波数やコア数、キャッシュメモリの大きさでCPUの性能が決まります。
メモリ容量が大きければ、より多くのアプリケーションを同時に実行できます。
ストレージがHDDかSSDかで、データの読み書き速度が変わってきます。
このようにハードウェアの能力を把握し、用途に合わせて適切な構成を選ぶことで、パソコンの処理能力を存分に発揮させることができるでしょう。
2. システムのトラブルシューティングが行える
ハードウェアの原理を理解していれば、パソコンが正常に動作しない時のトラブルシューティングが可能になります。
例えば、アプリケーションが頻繁に強制終了する場合、メモリ不足が原因の可能性があります。
起動時に大量のディスク読み込みでパソコンが重くなるならストレージの入れ替えを検討する、といった具合です。
ハードウェアの役割や制限を知っていれば、不具合の原因を機材の面から切り分けられ、適切な対処が講じられます。
3. パソコンのカスタマイズが可能になる
自作パソコンを組む場合や、PCパーツを交換する際に、ハードウェアの知識は重要になります。
CPUとマザーボードの組み合わせ、メモリ規格、ストレージ容量、電源容量など、バランスの良い構成を選ばないと無駄が生じます。
また、パーツ間の干渉や相性など細かい点にも注意が必要です。
ハードウェアへの理解が深ければ、自身の用途に合わせてパソコンをカスタマイズすることが可能になるでしょう。
このように、ハードウェアの知識を持っていると、単にパソコンを使うだけでなく、最適化やトラブルシューティング、カスタマイズなど、
様々な手段でパソコンの活用が図れます。エンジニアとしての技術力向上にも大きく貢献するはずです。
パソコンを構成している主要なハードウェア5つ
それではパソコンを構成している主要なハードウェアについて詳しくみていきましょう。
下記の内容は基本情報技術者試験などの資格でも出題される内容になりますので、この機会にイメージを掴んでおきましょう。
1. CPU (Central Processing Unit)
CPUはパソコンの”頭脳”に当たる最も重要な部品です。プログラムの命令を解読し、必要な計算処理を行います。
例えば、ワープロソフトで文章を書く時、CPUが文字の入力を読み取り、それをディスプレイに表示する処理を行っています。
スプレッドシート(エクセル)で計算をする時も、CPUが計算の命令を読み取り、結果を求めています。
CPUの性能が高いほど、より高速で複雑な処理ができるようになります。
少し難しいのですが、CPUの性能は、「クロック周波数」と「コア数」で表されることが多いです。
- クロック周波数が高いCPUほど、1秒間によりたくさんの命令を処理できます。
- コア数が多いCPUほど、並列で複数の処理を同時に行えます。
例えば、最新のCPUだと3GHzを超えるクロック周波数と8コア以上のマルチコアを備えており、高速かつ並列処理に適した性能を持っています。
要するに「めっちゃ計算速い人が複数人同時に仕事してくれる」とイメージして頂ければと思います。
この人たちの計算スピードと人数によってパソコンの値段が変わります。
CPUは、パソコンの”頭脳”として全ての処理の中心的な役割を果たす最重要部品です。
2. メモリ (RAM: Random Access Memory)
パソコンが動くためには、「メモリ」というものが必要不可欠です。
メモリはパソコンの”作業場”で、実行中のプログラムやデータを一時的に保持する役割があります。
メモリ容量が大きいほど、同時に多くのプログラムを実行できます。
例えば勉強をする時、机の上に教科書やノートを広げて作業しますよね。
その机が、パソコンのメモリに当たります。机の上がきれいだと、たくさんの教科書やノートを広げられて、たくさんの作業ができます。
でも、机の上が狭くて散らかっていると、あまり作業ができなくなってしまいます。
これと同じように、パソコンのメモリが小さかったり、たくさんのデータでいっぱいだと、あまり多くの作業(プログラムの実行)ができなくなってしまうのです。
大きなメモリを持っているパソコンだと、たくさんのソフトを同時に実行したり、大きな作業をすることができます。
メモリでは主にDRAM(Dynamic RAM)というタイプのものが使用されています。
これは、電気を流し続けないと中のデータが消えてしまう性質があります。(机に向かっていないと教科書とかが全部消えてしまうイメージ)
でも、その分安くてたくさん入れられるというメリットがあるのです。
このように、メモリはパソコンにとって重要な「作業場」なのです。
大きくて高性能なメモリを選ぶことで、パソコンはたくさんの作業をこなせるようになります。
3. ストレージ (HDD: Hard Disk Drive / SSD: Solid State Drive)
パソコンには、データやソフトを保管しておく場所が必要です。
「本棚」のようなものとイメージしていただくと分かりやすいと思います。
この本棚のことを、パソコンの中では「ストレージ」と呼んでいます。
ストレージには、主に2種類のタイプがあります。
1. HDD(Hard Disk Drive)
HDDは本当の本棚のように、回転する円盤の上にデータを書き込んでいきます。
本を並べるように、データを詰め込んでいくイメージですね。
2. SSD(Solid State Drive)
SSDは新しい種類のストレージです。
SSDではデジタルの0と1でデータを保存するため、本を置くのではなく、本を分解してそのブロックを重ねていくイメージです。
HDDとSSDではどちらが良いの?
HDDは、たくさんの本(データ)を収納できる大きな本棚のようで、容量が大きいのが特徴です。
一方SSDは、本を素早く取り出せる小さな本棚のように、スピードが速いのが特徴です。
両方とも一長一短があるので、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。
動画をたくさん保存したい時はHDDが、プログラムの起動を高速に行いたい時はSSDがおすすめです。
このように、ストレージはパソコンの大切な「本棚」なのです。HDDとSSDを上手に使い分けることが重要になります。
4. マザーボード
マザーボードは、CPU、メモリ、ストレージなどの主要部品を搭載するための基盤です。
上述したCPUやメモリ、ストレージなど、パソコンの中にはたくさんの大切な部品が入っていますよね。
でも、それらの部品を組み立てるための「台」がなければ、パソコンは作れません。
この「台」の役割を果たすのが、マザーボードと呼ばれる部品なのです。
マザーボードは、大きな机のようなイメージです。
その上に、CPUやメモリ、ストレージなどの部品を置いて、しっかりと固定することができます。
さらにマザーボードには部品同士をつなげる配線や、機能を統合するための特別な部品(チップセット)も組み込まれています。
おもちゃの組み立て説明書があると、つなげ方がわかりやすいように、マザーボードにもつなげる場所(スロットやコネクタ)が決まっているのです。
つまり、マザーボードは、パソコンの中で様々な部品を置いて組み立てるための「大きな作業台」なのです。
しっかりとした作業台があれば、部品を上手につなげて、1つのパソコンを作ることができます。
パソコンを組み立てるときは、この大切なマザーボードから作業を始めるため、パソコンの「母体」となる重要な部品なのです。
5. 電源ユニット (PSU: Power Supply Unit)
電源ユニットは、コンセントから供給される家庭用電源をパソコン内部の各部品で使える電圧に変換する役割があります。
パソコンの中の部品は、みんな電気を必要としています。CPUやメモリ、ストレージなど、電気がなければ動きません。
でも、パソコンに直接コンセントからの電気を流せば危険です。その電気は強すぎて、部品を壊してしまうからです。
そこで、電気を「おとなしく」して部品に合った量に変える役割があるのが、電源ユニットと呼ばれる部品なのです。
電源ユニットは、コンセントから電気をもらい、パソコンの中で使える「ちょうどいい」電気に変換してくれます。
おかずを食べやすいように小さく切るのと同じですね。
さらに、電源ユニットは電気をパソコンのいろんな部品に行き渡らせる役割もあります。
みんなが公平に電気を分けてもらえるように、上手く配る仕事をしているのです。
このように、電源ユニットがしっかりと電気を調節し、配っていないと、パソコンの部品は動きません。
電気をちゃんと貰えないと、部品はお腹をすかせて元気がなくなってしまうからです。
パソコンが正常に働くために、この大切な「電気配り係」としての役割を果たしているのが電源ユニットなのです。
まとめ
パソコンは、CPU、メモリ、ストレージ、マザーボード、電源ユニットといった主要ハードウェアで構成されています。
これらハードウェアの役割と機能を理解することは、パソコンを日々利用している私たちにとってとても重要です。
ハードウェアの知識があれば、パソコンのパフォーマンスを最大限に引き出すことができ、トラブルシューティングやカスタマイズなど役に立つことが多いです。
令和に生きるエンジニアの皆さんは、ぜひハードウェアの基礎知識を身につけ、高度なシステム活用を実現していきましょう。