はじめに
「がんばらないことをがんばるって決めた。」を読んで、心が軽くなる感覚を覚えました。
著者の「考えるOL」さんの等身大の言葉に、多くの読者が共感し、癒されているのも納得です。
「がんばらないこと」とは、自分を見つめ直すことでもあります。側から見れば何もしていないと思われる行為ですが、現代に生きる私たちにとってはとても大事なことなのだと思います。
自分らしさを大切にする勇気
この本の核心は、社会の期待や他人の目を気にしすぎず、自分らしく生きることの大切さです。
著者は、かつて自分を追い込みすぎて心を病んだ経験から、「がんばらないこと」の重要性に気づきました。
大きな夢を抱いていなくても、誰かの役に立たなくても、今日、明日を自分が幸せに生きることができればそれでいい。
美味しいカフェラテ、お気に入りのシャンプー、かわいいワンピースなど、小さな楽しみが生活を豊かにしてくれます。
大きな目標や成功だけでなく、日々の生活の中に喜びを見出す姿勢の大切さを教えてくれました。
大人こそ、しっかりサボろう
せっかく就職できた会社なんだから「仕事はサボってはいけない」「サボることは悪」と思って日々仕事をしてきました。
私自身も(自分でいうのもですが)責任感が強く、当たり前のことをきちんとこなすことでしか自分を守ることができないと思っていました。職場ではいつもお客様や上司に、どのように立ち振る舞えば迷惑をかけないかを常に意識して働いていました。
本当の自分ではないと分かりつつも、そうすることしかできなかったのです。
しかし、自分が会社を数日休んだところで、会社を辞めたところで何ひとつ会社は変わりません。私が今まで担当していた仕事は他の誰かが行います。
自分の代わりはいくらでもいるし、自分も誰かの代わりになることができます。「仕事をサボってしまう」という不完全な自分を許せると言うことは、不完全な誰かを許せるということでもあります。
サボることは決して悪ではなく、自分や他人を受け入れる器が大きくなることなのだと思いました。
生きているだけで100点満点
朝コンビニでパンを買います。するとそこで働いている人やパンを製造している会社に(ほんの少しですが)お金が入ることになります。
常に何かを生み出したり、世界に影響を与えたりしなくても、ただ生きて消費するだけでも誰かの生活を支える一部になっているという視点は新鮮です。
ご飯を食べたり、本を読んだり、映画を観たり、どんなことでも誰かの生活を支えていると思うと、何気ない消費活動がとても誇らしく思えてきませんか?
これは、自分の存在価値を見出せずに悩んでいる方にとても伝えたい考え方です。
自分のためだけに夢を持つ
聞かれて困る質問ランキング1位が「将来の夢は何ですか?」です。
「多くの人を救える活動がしたい」など「誰かのための夢」はとても立派で、それを語るだけで誇らしい気持ちになれます。
心の底から本当に叶えたい夢であれば全く問題はありませんが、私はそのような夢を語ることはできても持つことはできませんでした。外側から自分を認めてもらうための道具になっていたのです。
では「自分のための夢」とは何でしょうか?本当に自分がしたいことで、本当に何でもいいのです。
著者も語っていた「サイゼで食べ放題をすること」や「フランフランの家具に囲まれた部屋に住むこと」などの夢は誰かの役に立つものではありません。
しかし、自分がこのために「明日も生きよう!」と思える夢ならそれは大切でとても立派な夢なのです!
夢が叶わなくても幸せになれる
夢が叶わないこと=不幸せなことではありません。「夢のために生きている、だからそれが叶わないと生きている意味がない」という人もいるかもしれませんが、かなり少数派なのでは?と思います。
夢が叶わなかったとしても相変わらず自分の幸せはずっとそばにあります。例えば・・・
出勤前の朝ごはんに食べるミスド
月に1回のご褒美ランチ
金曜の夜に一人で行くサウナ
など、自分が幸せだなと感じることは常に身近にあります。
抱いた夢が叶わなかったとしても十分幸せに生きることができるのです。
神頼みではなく自分頼み
待っているだけで人生を幸せにしてくれる、そんな都合のいい神様は存在しません。
神様にお願い事や感謝をする事はしても、自分の人生まで手放しで神様に頼っていては絶対に幸せにはなれません。
自分の人生なのですから、神頼み・運頼みではなくしっかり現実と向き合っていきましょう。
余談ですが、私は宝くじが大好きですwシーズンごとに発売される宝くじを買った日から、毎日のように3億円当たったら・・・と当選後の生活を思い描いてワクワクで過ごしています。
宝くじを当てるためにできることは何でもします。神様にお願い事をしたり徳を積むために行動したり・・・しかしまあそれで当選したことは1度もありません。神様に頼みっぱなし、こんだけ徳を積んだのだからいいことあるでしょと手放しで頼っていては当然人生が思い通りにいくはずもありませんね。
ちなみにこれは今年のサマージャンボの話です。当たる気がしましたが、1円も当たりませんでした。その時間をもっと今の自分を幸せにするために使えばよかったな。
大切にしてくれない人とは離れる
職場でもプライベートの人間関係でも、嫌味ばかり言って自己肯定感を下げてくる人とは関わらないようにしましょう。
また人の気持ちは都合よく解釈して自分と相手を傷つけないようにすることも大切です。目に映った相手の言動を悪い方向に捉えてはいけない、ということです。
SNS全盛の現代では意識していなくても他人の情報が流れ込んできます。
友人のインスタグラムでのキラキラした食事内容やXでの株や仮想通貨の爆益報告など、嫌でも他人と自分を比較してしまう機会が多いです。
「嫌だな」と思ったら自分の都合よく解釈してしまえばいいのです。
「見える部分だけ背伸びして、頑張って投稿しているんだな」「先月は損したのに、今月ちょっと取り返せたぐらいで盛り上がっているんだな」と、劣等感を感じる前に都合よく解釈してしまいましょう。
まとめ
この本を読んで、私自身も「がんばらないことをがんばる」ことの大切さを実感しました。
社会の期待に応えようとしすぎて、自分の本当の望みを見失っていたことに気づかされました。
小さな幸せを見つける習慣や、自分を大切にする姿勢は、すぐにでも実践できそうです。例えば、好きな音楽を聴きながらゆっくりとお茶を飲む時間を作ったり、長年欲しかった本を思い切って購入したりするなど、小さな贅沢から始めてみようと思います。
また、「夢」の捉え方も変わりました。大きな目標だけでなく、趣味を極めることや、好きな場所に住むことなども、立派な「夢」だと認識できるようになりました。
この本は、現代社会のプレッシャーに押しつぶされそうな全ての人に読んでほしい一冊です。がんばりすぎる自分を許し、ありのままの自分を受け入れる勇気をくれる、そんな温かい本です。